警察が弁護人接見を盗聴?(袴田事件)

 2014年4月14日,福井地裁で高浜原発の運転差止め仮処分決定がなされたことが大ニュースとなっていますが,その影でとても重大なニュースがありました。

 

 袴田事件(→Wikipedia)で,静岡県警が袴田さんと弁護人との接見を盗聴・録音していたのではないかというニュースです(→中日新聞WEBの魚拓)。

 

 報道によると,東京高検幹部が「接見時とみられる音声が録音されていることは把握している」と話しているとのことですし,弁護人が録音に同意するはずもないので,接見を「盗聴」したのは間違いなさそうです。

 

 前に所属していた事務所で,先輩弁護士が「重大事件では弁護人の接見も盗聴されている可能性があると思って注意しているんだ」と話してくれたことがありました。そのときは「本当にそんなことがあるのか?」と思っておりました。先輩すいません。私がバカでした。

 

 このブログを読まれた方の中には,「犯人でないのなら,会話を録音されても構わないのではないか」と思われる方もいるかもしれませんが,それは楽観的すぎます。

 

 例えば被疑者が接見で弁護人に,①「早く帰りたい」,②「母親が病気で心配だ」,③「事件当時は友達の家で飲んでいた」などと話したとしましょう。接見を盗聴した取調官は,①や②の場合,取調べ時に「自白しないと帰れない,母親にも会えない」と言って被疑者の弱点を突いて脅すことができます。③の場合,友達に接触して「正確なことを言わないと犯人隠避になりかねない」と言って,友達に当時のアリバイを供述させない(少なくとも曖昧な供述に落とす)こともできます。

 こうして虚偽自白,アリバイ潰しなどによって,無実の者が有罪となる冤罪の危険があるのです。そして,冤罪はすなわち真犯人の放置ですから,被害者の救済にもなりません。

 弁護人との接見を盗聴することは,仮に被疑者が真犯人であっても憲法34条に違反するとか,フェアではないとか,そもそもそれ自体が違憲・違法・不当ですが,真犯人ではない場合は上記のような実害も発生します。

 

 袴田事件の当時警察が何をしたのか,この再審公判で徹底的に明らかにしてもらいたいですね。

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