(今回は弁護士でない方にはちょっとピンとこないかもしれない話)
「憲法的刑事弁護 弁護士高野隆の実践」
(木谷明編集代表,日本評論社)
最近,この本を読んでいます。
高野隆弁護士の刑事弁護の実践例を,座談会や弁論(裁判員裁判での弁論の書き起こし)で教えてくれる本です。
高野隆弁護士と言えば,刑事弁護をやる弁護士ならば知らない人はいない(知らないならモグリと言える)ほどの,刑事弁護のエキスパート。その「実践」を知りたくて読んでいます。
買って正解でした。
多くの弁護士も同じだと思いますが,私は重大事件の私選弁護や裁判員裁判対象事件の国選弁護を除き,刑事弁護は全て1人で行っています。なので他の弁護士の刑事弁護を見る機会がほとんどありません。刑事弁護はどうしても「自己流」となってしまいます。
もちろん,毎年必ず刑事弁護の研修を受けています。しかし,「実際にこういうことで悩みながらこういう弁護をした」といった「実際の」弁護は,研修ではほとんど学べません。
通常の研修では,無罪をとった弁護はどのくらい大変だったのか,どのくらいのことをしないと無罪をかちとれないのか,こういった感触を得ることがあまりできないのです。
しかし,いま読んでいるこの本は違いました。実際に高野弁護士が受けた事件について,何を考え,どのような弁護をしたのか,ということがいくつも載っています。
刑事弁護をする弁護士には必読の書です。