憲法学者の樋口陽一さんと小林節さんの対談本
「憲法改正」の真実
を読みました。
昨年9月19日にいわゆる安保法制が成立した。
これは「立憲主義と民主主義の破壊」であった。
この対談本は,そのことに警鐘を鳴らしています。
また,安保法制にとどまらず,自民党が2012年に発表した改憲草案の中身を検討し,憲法制定権力の意味と力にまで踏み込んだ語りには脱帽でした。さすが憲法学者。
立憲主義とは,簡単に言うと「憲法で国家権力を縛り,個人の基本的人権をまもる」という考え方のことです。
主権者教育の話の中で,「憲法が国に命令する」というくだりがでてきますが,これが立憲主義です。ちなみに,同じ話の中で「自分たちのことは自分たちで決める」ということも出てきますが,これが民主主義です。
昨年の安倍政権は,この立憲主義と民主主義いずれも破壊した。
一種の革命あるいはクーデターであった。
いまこそ,私たちの憲法を,立憲主義を,取り戻さないといけない。
これがこの本の核心部分です。
安保法制や改憲草案の本質が読み解けます。お薦めします。